最近、説明が苦手な子どもが増えました。
一生懸命説明してくれていても、ちょっと何言ってるかわからない…。
話が上手な子どもと話していると、ああこの子頭いいなあ、と思いますし、大人でも同じですよね。
表現が上手な人は「デキる人」の印象で得しますよね。
だから、子どもが大人になった時にカッコよくプレゼンできるように今から表現力を身につけてあげましょう。
■伝わらないと意味がない
思考力があって、判断も適切で、でも最後に人に伝える表現力が備わっていないと元も子もありません。
ものすごく斬新的なアイデアを思いついても、伝わらなければ意味がありません。
■みんな動画大好き!活字を読まない
子どもたちはみんな映像が好きですし、世の中は映像にあふれています。
アニメチャンネルを契約すればいつでもアニメが見れる。
テレビも同時にいくつも録画でき、何百時間も保存できる。
ネットに繋げばいつでもYoutubeが見れる。
本どころかマンガすら読まない活字離れの子がどんどん増えています。
動画の方が見るのも楽ですし、日々新しいものが出ますし、気持ちはわかります。
「どこから知識を得るか?」 ということについては本だけでなくてもよいと思いますが、プロの文章を頭にインプットするには本を読まないとなかなか難しいです。
活字は絶対に読んだ方が良いです。
しかし、ただ読むだけでは意味がありません。
アウトプットをする必要があります。
どうやって?
簡単です。
「その読んだ本、内容を教えて」
と子どもにあらすじを説明してもらいましょう。
インプットとアウトプットをセットで、表現力を身につけちゃいましょう。
■先生にも責任、親にも責任
子どもの表現力の低下は、周囲の大人にも責任があります。
まず学校。
子ども達の発言はたとえ拙くても、先生が上手に拾います。
それが先生の仕事なので先生が悪いわけではありませんが。
小学校であれば発言した内容に、クラスメイトが「いいでーす!」「おなじでーす!」とリアクションもついてきます。
友達との会話も、勝手知ったる仲なので、言いたいことは相手が理解してくれちゃいます。
家でも同じです。
子どもが何を言おうとしているのか、親なら一生懸命拾いますよね。
それってこういうこと? ×××ちゃんが〇〇〇で×××したのね? と代弁しながら話を整理しちゃいますよね。
私も娘には弱いので、残念ながらそうしてしまっています・・・・。
子どもの内は、学校でも家でも、表現力が無くても説明が上手くなくても、周りがフォローして拾ってくれます。
大人になったらどうでしょう?
営業マンの説明が下手だとして、商談相手の他人が拾ってくれるのでしょうか・・・。
もしあなたの目の前に、何を言っているか分からない営業マンがいたらどうしますか?
一生懸命話を整理しながら話を進めますか? 早く帰ってくれないかなあって思いませんか?
会議でもディベートでも、フォロー、同調してくれる人がいつもそばにいるのでしょうか・・・。
ブレーンストーミング、KJ法などの「否定しないルール」の会議は別として、何を言っているか分からなければ、
その場は静まり返りますよね・・・。
年齢も生活環境も全く異なる友達がつくれる機会があったら、どんどん参加させましょう。
共通のバックグラウンドが無い相手とのコミュニケーションは言葉が通じません。
その中で自分の考えを伝える、相手の意図をくみとる、
これが表現力が一番育つ環境です。
■「ちょっと何言ってるかわかんないです」
ちょっとかわいそうですが、説明が分かりづらい時はこの言葉を返してあげましょう。
「ちょっと何言ってるかわかんないよ」
子どもが、どう説明したら伝わるのか、自分で考えてもらうのが一番です。
その上で助け舟を出すのであれば、
いつの話?
どこで?
誰が?
何を?
どんなふうに?
どうしたの?
基本の5W1Hで質問をしてあげましょう。
注意すべきは、これが成立するのは、確固たる親子の信頼関係があってです。
もしも普段子育てに全く参加しないパパがいきなり、「ちょっと何言ってるか分かんねぇな」と言ってしまったら
その後に残るのは親子の溝だけです・・・。
■表現が上手ってどういうこと?
では、説明がわかりやすい、表現力が高い、とはどういうことなのかを説明します。
■国語→算数→???
わかりやすく伝えるには、整理することが大事です。
言語だけで成り立っている話を、算数の力で変換するのです。
・図にする
・表にする
・絵にする
・数値にする
・時系列に並び変える
・グループ分けする
などで整理をする。
そしてもう一度それを言葉で説明しなおす。
「廊下で転んだ」
「算数のテストが100点だった」などの
単純な話ならよいですが、
登場人物がたくさんいて、それぞれが違う意見でバラバラの行動をしているような複雑な話は、五月雨式に矢継ぎ早に話されても分からないですよね。
整理をする。
そのためには、話を整理できるフォーマットを持たせてあげるのが一番です。
※フォーマットの詳細は別途、別記事で紹介します。
■自己紹介をあなどらない
大人になって、就職活動では必ずする、自己紹介。
仕事で日常的に自己紹介をする人はどれほどいるでしょうか。
皆さんの身の回りの人を思い浮かべてみてください。
「デキる人」ほど、自己紹介をしっかりと、していませんか?
自分てこんな人間です、という情報を相手に事前に伝えてあげることで、コミュニケーションは円滑に進みます。
リクルートグループ出身の人に会うと、ほとんどの人がこの自己紹介をきちんとしていて、徹底した教育を受けているなぁ、と印象を受けます。
子どもの内から、初めて会う人には必ず自己紹介をする習慣をつけておくのがよいでしょう。
「〇〇小学校4年2組 ××××です。 野球をやっています。 よろしくお願いします。」
これだけでよいです。
初めて会う人に自分のことを臆せず話す度胸を身につけておきましょう。
■想いを伝える
どんなシチュエーションで伝えるのがよいのか、これも子どもの内から絶対に知っておくべきですよね。
上司にLINEで「具合が悪いので今日休みます」が是か非か。
会社にメールで「退職します」が是か非か。
相手が気分を害するのであれば、それはよくありません。
相手が気にしないならLINEでもメールでも何でもよいです。
その伝え方で相手がどう思うか よりも 自分の都合 を優先したコミュニケーションで損をしないように。
子どもたちは幼い頃、パパママの誕生日、母の日、父の日、敬老の日、たくさん絵や手紙を書きます。
そしてそれを渡したときにものすごく喜ぶ大人を目にします。
「直筆の手紙」が人を喜ばせることを知っています。
でも日常的に家族外にそれが出来ている子はどれくらいいるでしょうか。
誰かから贈り物をもらったり、何かしてもらった時に、
・直筆の手紙を書く
・電話でお礼を伝える
・直接その家に出向きお礼を伝える
自分の行動で相手がどんな反応するか、肌で知っておけば、大人になった時に
通り一辺倒にメールで無機質なコミュニケーションを取るようなことにはならないはずです。
相手の感情を動かすコミュニケーション を子どもの内から身につけていたら、大人になった時に絶対に役立ちます。
■得意技を身につける
人それぞれ、得意なこと、苦手なこと、必ずあります。
・話すことが得意
・文章にするのが得意
・絵をかくのが上手
・ノートがきれい
・図表のセンスがある
・熱意がめちゃくちゃある
自分では何が得意なのか、なかなか分かりづらいものです。
だからこそ、一番身近にいる第三者の親が、それを見つけてあげて伸ばしてあげましょう。
どう伸ばす?
アウトプットの量を増やしましょう。
機会をつくりましょう。
おじいちゃんおばあちゃん、先生にアウトプットを渡しましょう。
■結局は
表現力は絶対に必要ですが、それはきちんとした「伝える内容」があってこそです。
いくら伝え方が上手でも、内容が薄っぺらいものでは意味がありません。
仕事で企画書や提案書をつくる人は分かっていると思います。
何を伝えるかについて、90%くらいの時間を割いて考えますよね?
90%の時間をかけて考え抜いた内容を、残り10%の時間で企画書にまとめますよね。
「思考力と判断力を駆使して作り上げた意見」 ありきです。
いかに伝える相手のことを考えて考えて、これをつくれたら、あとはテクニックではなく基本に忠実で十分です。
プレゼンが得意!営業が得意!というお父さんは、是非子どもにその秘伝を教えてあげてください!!!